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自立活動の指導【解説P44】
学校における自立活動の指導は,障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し,自立し社会参加する資質を養うため,自立活動の時間はもとより,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,自立活動の時間における指導は,各教科,道徳科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動と密接な関連を保ち,個々の児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を的確に把握して,適切な指導計画の下に行うよう配慮すること。
この規定の前段において,学校における自立活動の指導は,「自立し社会参加する資質を養うため」に行うことを明確にしている。
「自立し社会参加する資質」とは,児童生徒がそれぞれの障害の状態や発達の段階等に応じて,
- 主体的に自己の力を可能な限り発揮し,よりよく生きていこうとする
- 社会,経済,スポーツ文化の分野の活動に参加することができるようにする
資質を意味している。
そして,「学校における自立活動の指導は,……学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。」と示しているのは,自立活動の指導の重要性に鑑み,学校の教育活動全体を通じて指導することの必要性を強調したものである。
つまり,自立活動の指導は,
- 特設された自立活動の時間
- 各教科
- 道徳科
- 外国語活動
- 総合的な学習の時間
- 特別活動
の指導を通じても適切に行わなければならない。
自立活動の指導は,学校の教育活動全体を通じて行うものであり,自立活動の時間における指導は,その一部であることを理解する必要がある。
自立活動の指導は,学校の教育活動全体を通じて行うものであることから,自立活動の時間における指導と各教科等における指導とが密接な関連を保つことが必要である。
このためこの規定の後段においては,「……特に,自立活動の時間における指導は,各教科,道徳科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動と密接な関連を保ち……」と示し,このことを強調しているのである。
また,「……個々の児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を的確に把握して,適切な指導計画の下に行う……」と示し,特に,個々の児童生徒の実態に即して作成された個別の指導計画に基づき,適切な指導実践が行われることが期待されている。
それぞれの子どもの学習活動、日常生活が良くなるように設計されるのが自立活動の指導♪
「先生と1対1の個別で指導しなければならない」とは書いてありません♪
自立活動の時間に充てる授業時数【解説P45】
小学部又は中学部の各学年の自立活動の時間に充てる授業時数は,児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じて,適切に定めるものとする。
自立活動の指導は,個々の児童生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服しようとする取組を促す教育活動であり,個々の児童生徒の障害の状態や特性及び心身の発達等に即して指導を行うものである。
したがって,自立活動の時間に充てる授業時数も,個々の児童生徒の障害の状態等に応じて適切に設定される必要がある。このため,各学年における自立活動に充てる授業時数については,一律に授業時数の標準としては示さず,各学校が実態に応じた適切な指導を行うことができるようにしている。
ただし,授業時数を標準として示さないからといって,自立活動の時間を確保しなくてもよいということではなく,個々の児童生徒の実態に応じて,適切な授業時数を確保する必要があるということである。
また,自立活動の時間に充てる授業時数は,各学年の総授業時数の枠内に含まれることとなっているが,児童生徒の実態に即して適切に設けた自立活動の時間に充てる授業時数を学校教育法施行規則第 51 条別表第1又は同規則第 73 条別表第2に加えると,総授業時数は,小学校又は中学校の総授業時数を上回ることもある。
こうした場合には,児童生徒の実態及びその負担過重について十分考慮し,各教科等の授業時数を適切に定めることが大切である。
自立活動の時数は柔軟に決めることができます♪
特設の自立活動の時間のほかに、知的障害がある場合には合わせた指導も選択肢に入ります。
この柔軟性をメリットと感じるかデメリットと感じるかはあなた次第♪
自立活動の目標【解説p48】
個々の児童又は生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤を培う。
自立活動の目標は,学校の教育活動全体を通して,児童生徒が障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要とされる
- 知識
- 技能
- 態度
- 習慣
を養い,心身の調和的発達の基盤を培うことによって,自立を目指すことを示したものである。
ここでいう「自立」とは,児童生徒がそれぞれの障害の状態や発達の段階等に応じて,主体的に自己の力を可能な限り発揮し,よりよく生きていこうとすることを意味している。
そして,「障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服する」とは,児童生徒の実態に応じ,日常生活や学習場面等の諸活動において,
- 障害によって生ずるつまずきや困難を軽減しようとしたり
- 障害があることを受容したり
- つまずきや困難の解消のために努めたりすること
を明記したものである。
なお,「改善・克服」については,改善から克服へといった順序性を示しているものではないことに留意する必要がある。
また,「調和的発達の基盤を培う」とは,
- 一人一人の児童生徒の発達の遅れや不均衡を改善したり
- 発達の進んでいる側面を更に伸ばすことによって遅れている側面の発達を促すようにしたり
全人的な発達を促進することを意味している。
成長が停滞しないように、弱点の補い方を学ぶ・考える力を育てるのが自立活動♪
これって、障害のある子だけの教育領域にするにはもったいない!