個々の児童又は生徒が,自立活動における学習の意味を将来の自立や社会参加に必要な資質・能力との関係において理解し,取り組めるような指導内容を取り上げること。
目次
生涯発達・生涯学習をドライブするためのエンジンを強化!
障害のある児童生徒が自立し,社会参加するには,各教科等で学ぶ知識や技能等の他に,障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する力を身に付けていく必要がある。そうした困難に対応する力を児童生徒が主体的に学べる機会が自立活動の指導である。
よって,自立活動での学習が,将来の自立や社会参加にどのように結び付いていくのか,児童生徒が自らその関係を理解して,学習に取り組むことができるように指導内容を取り上げていくことが必要である。
例えば,「6コミュニケーション」の項目である「(1)コミュニケーションの基礎的能力に関すること。」について学ぶ中で,発声や指差し,身振りやしぐさなどをコミュニケーション手段として適切に活用していくことは,児童生徒が自立と社会参加を果たす上で様々な人と関わる際に,欠かすことのできない基盤となる力である。
このように自立活動を学ぶことの意味に自ら気付き,目的意識をもって,主体的に学習に取り組めるようにしていく ことは,児童生徒の自立活動に対する学習に取り組む力を高め,将来の自立と社会参加を実現する又は果たす上で
非常に重要である。
このようなことは,重複障害者のうち自立活動を主として指導を行う場合でも同様である。個々の児童生徒本人に可能な手段でコミュニケーションを図り,本人の思いや願い,将来に向けた希望等に耳を傾けながら,長期的な視点に立って指導に当たることにより,児童生徒が,自己を的確に捉え,自己の成長に気付くことにもつながると考えられる。
そのため,表出できたかどうかという知識や技能面だけでなく,指導目標の達成に向けて取り組もうとしている意欲や,解決しようとしている態度等を丁寧に見極め,評価していくことが大切である。
また,児童生徒が現在もっている力を最大限に生かしながら,活動の幅を広げていくことも重要な視点である。
目先の成果にとらわれない。卒後の生活も含めた長期目線で子どもの成長を期待ことが重要!