個々の児童又は生徒が,発達の遅れている側面を補うために,発達の進んでいる側面を更に伸ばすような指導内容を取り上げること。
目次
発達の凸凹を考慮した学習活動の考え方
具体的な指導内容の設定に当たっては,幼児児童生徒の発達の遅れている側面を補うために発達の進んでいる側面を更に伸ばすような指導内容を設定することが大切である。
「障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する」というと,一般に発達の遅れている側面や改善の必要な障害の状態に着目しがちである。
しかしながら,幼児児童生徒の発達の遅れた側面やできないことのみにとらわれて,これを伸ばしたり,改善したりすることのみを指導目標(ねらい)にすると,幼児児童生徒は苦手なことやつらいことを繰り返し行うことになり,効果が現れるのに必要以上の時間を要したり,方法によっては幼児児童生徒の
- 活動や学習への意欲を低下
- 劣等感をもたせたりする
ことも考えられる。
人間の発達は,諸々の側面が有機的に関連し合っており,発達の進んでいる側面を更に促進させることによって,幼児児童生徒が自信をもって活動や学習に取り組むなど,意欲を喚起し,遅れている面の伸長や改善に有効に作用することも少なくない。
したがって,具体的な指導内容の設定に際しては,個々の幼児児童生徒の発達の進んでいる側面にも着目し,個別の指導計画を作成することが大切である。
これは,幼児児童生徒の発達の遅れている側面や改善の必要な障害の状態に対して取り組まなくてよいということではなく,幼児児童生徒が自信をもって意欲的に取り組む態度を育成するとともに,少し努力すれば達成できそうな指導目標(ねらい)や指導内容の設定を行うなど,改善・克服のための取組も併せて必要だということである。
常にPDCAサイクルを意識しながら,幼児児童生徒の学習の状況等を評価し,課題を改善していくことは,教師に求められる専門性の一つでもある。
生涯にわたるセルフプロモーションの基礎づくりになります!
本人もPDCAサイクルに参画させて、主体性を育てましょう!