【身体の動き】(1)姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること【自立活動】

重要フレーズ

「(1)姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。」は,日常生活に必要な動作の基本となる姿勢保持や上肢・下肢の運動・動作の改善及び習得,関節の拘縮や変形の予防,筋力の維持・強化を図ることなどの基本的技能に関することを意味している。

姿勢には,臥位,座位,立位などがあり,あらゆる運動・動作の基礎になっている。姿勢を保持することは,広い意味では動作の一つである。これらの姿勢保持と上肢・下肢の運動・動作を含めて基本動作というが,この基本動作は,姿勢保持,姿勢変換,移動,四肢の粗大運動と微細運動に分けることができる。

具体的指導内容例と留意点

(課題例)肢体不自由の場合

肢体不自由のある幼児児童生徒の場合,

  • 基本動作が未習得であったり
  • 間違って身に付けてしまったりしている

ために,生活動作や作業動作を十分に行うことができない場合がある。

そこで,個々の幼児児童生徒の運動・動作の状態に即した指導を行うことが大切である。

例えば,全身又は身体各部位の筋緊張が強すぎる場合,その緊張を弛めたり,弱すぎる場合には,適度な緊張状態をつくりだしたりすることができるような指導が必要である。

一方,筋ジストロフィーの幼児児童生徒の場合,関節拘縮や変形予防のための筋力の維持を図る適度な運動が必要である。

(課題例)知的障害の場合

知的障害のある幼児児童生徒の中には,知的発達の程度等に比較して,身体の部位を適切に動かしたり,指示を聞いて姿勢を変えたりすることが困難な者がいる。

このような幼児児童生徒に対しては,

  1. より基本的な動きの指導から始め
  2. 徐々に複雑な動きを指導する
  3. 次第に,目的の動きに近付けていく

ことにより,必要な運動・動作が幼児児童生徒に確実に身に付くよう指導することが重要である。

(課題例)視覚障害の場合

また,視覚障害のある幼児児童生徒の場合,身体の動き等を模倣することを通して基本的な運動・動作を習得することが困難であることが多い。

そこで,姿勢や身体の動きについて,

  1. 教師の身体や模型などに直接触らせて確認させた後
  2. 幼児児童生徒が自分の身体を実際に使って,その姿勢や動きを繰り返し学習するとともに
  3. その都度教師が,口頭で説明したり,手を添えたり

するなどして,正しい姿勢の保持や運動・動作を習得することが大切である。

なお,このような指導を行う場合には,必要に応じて医師等の専門家と十分な連携を図ることが大切である。

ダイナモ
ダイナモ

指導にあたっては、身体の動きをリードしたり、補助したりする専門技術が必要です。

特に、重度肢体不自由の場合には骨・関節・筋肉などに無理が生じないように留意しましょう。


他の項目との関連例

【ADHD】(身体×心理×環境)

ADHDのある幼児児童生徒の場合,身体を常に動かしている傾向があり,自分でも気付かない間に座位や立位が大きく崩れ,活動を継続できなくなってしまうことがある。

このような幼児児童生徒に対しては,

  • 身体を動かすことに関する指導
  • 姿勢を整えやすいような机やいすを使用すること
  • 姿勢保持のチェックポイントを自分で確認できるような指導

を行うことが有効な場合がある。

そこで,姿勢を保持することが困難なADHDのある幼児児童生徒に対しては,この項目に加え,例えば,「2心理的な安定」や「4環境の把握」等の区分に示されている項目の中から必要な項目を選定し,それらを相互に関連付けて具体的な指導内容を設定することが大切である。

ダイナモ
ダイナモ

落ち着きのなさが原因で、無理な姿勢で学習して疲れがたまりやすくなっていることもあります。

現在、モーターニーズへの対応の考え方は幅広くなっています。

リラックスできる姿勢であれば集中できることもあるので、いわゆる「良い姿勢」にこだわりすぎないように留意しましょう♪

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