「(4)集団への参加の基礎に関すること。」は,集団の雰囲気に合わせたり,集団に参加するための手順やきまりを理解したりして,遊びや集団活動などに積極的に参加できるようになることを意味している。
目次
具体的指導内容例と留意点
障害のある幼児児童生徒は,見たり聞いたりして情報を得ることや,集団に参加するための手順やきまりを理解することなどが難しいことから,集団生活に適応できないことがある。
例えば,視覚障害のある幼児児童生徒の場合,目で見ればすぐに分かるようなゲームのルールなどがとらえにくく,集団の中に入っていけないことがある。
そこで,
- あらかじめ集団に参加するための手順やきまり
- 必要な情報を得るための質問の仕方
などを指導して,積極的に参加できるようにする必要がある。
聴覚障害のある幼児児童生徒の場合,場面や相手によっては,行われている会話等の情報を的確に把握できにくいことがある。そのため,日常生活で必要とされる様々なルールや常識等の理解,あるいはそれに基づいた行動が困難な場合がある。
そこで,
- 会話の背景を想像したり,実際の場面を活用したりして
- どのように行動すべきか,また,相手はどのように受け止めるか
などについて,具体的なやりとりを通して指導することが大切である。
LDのある児童生徒の場合,言葉の意味理解の不足や間違いなどから,友達との会話の背景や経過を類推することが難しく,そのために集団に積極的に参加できないことがある。
そこで,
- 日常的によく使われる友達同士の言い回しや
- その意味することが分からないときの尋ね方
などを,あらかじめ少人数の集団の中で学習しておくことなどが必要である。
困った時にごまかさずに、必要な情報を得られるように質問力をつけることが重要です。
みなさんは、外国語のコミュニケーションで情報がうまく取れない時、ちゃんと質問してますか?
他の項目との関連例
ADHDのある幼児児童生徒の場合,遊びの説明を聞き漏らしたり,最後まで聞かずに遊び始めたりするためにルールを十分に理解しないで遊ぶ場合がある。
また,ルールを十分に理解していても,勝ちたいという気持ちから,ルールを守ることができない場合がある。その結果,うまく遊びに参加することができなくなってしまうこともある。
このような場合には,
- ルールを少しずつ段階的に理解できるように指導したり
- ロールプレイによって適切な行動を具体的に指導したり
することが必要である。
また,遊びへの参加方法が分からないときの不安を静める方法を指導するなど,「2心理的な安定」の区分に示されている項目や,友達への尋ね方を練習するなど「6コミュニケーション」等の区分に示されている項目などと相互に関連付けて具体的な指導内容を設定することが大切である。
「ルールがあるから楽しく遊べる」ということを学ぶには、勝ったり負けたりしながら経験を積み重ねることが必要です。負けを受けいれたり、勝った相手を賞賛する心の余裕も大事です♪