目次
はじめに
多くのADHD(注意欠如・多動性障害)を持つ高校生にとって、日常生活の中での「片づけ」は一つの大きな課題です。この記事では、整理整頓を促進する学習活動のアイデアを紹介します。
1.整理整頓が苦手であることのデメリット5選
(1)時間の無駄:不必要な時間を費やすことになる。
(2)ストレスの増加:物が見つからないことでイライラが増す。
(3)集中力の低下:散らかった環境は集中を妨げる。
(4)社会的評価の低下:整理整頓ができないことで周囲からの信頼を失う。
(5)自己効力感の低下:片づけができないことによる自己評価の低下。
2.指導目標
(1)自分の持ち物に責任を持つ意識の醸成。
(2)整理整頓の基本的なスキルを学ぶ。
(3)日常生活における整理整頓の習慣化。
3.想定される生徒の実態
(1)物を定位置に戻すことが苦手。
(2)物の整理に時間がかかる。
(3)片づけに対するモチベーションが低い。
4.教材のアイデア
(1)ラベル付けができる収納ボックス。
(2)整理整頓の手順を示したチェックリスト。
(3)ゲーム感覚で楽しめる整理整頓アプリ。
(4)ビフォー・アフターの写真を使った比較資料。
(5)整理整頓のヒントを提供する小冊子。
5.活動の詳細
(1)導入:整理整頓ができないことのデメリットと整理整頓の重要性について話し合う。
(2)展開:グループごとに指定されたエリアを片づけ、工夫を凝らす。
(3)まとめ・振り返り:活動の前後で環境がどのように変わったかを観察し、感想を共有する。
6.評価基準(3段階)
A(積極的に参加し、スキルを身につけた)
- 自発的に活動を開始し、終了まで責任を持って進行する。
- 整理整頓の手順を正確に実行し、物の定位置を自分で設定し整理する。
- 活動後には、自分の行った整理整頓の過程と結果について具体的なフィードバックを提供する。
B(基本的な指示に従い、活動を行った)
- 指示されたタスクを期限内に完了するが、時折、サポートが必要。
- 整理整頓の基本的な手順に従い、指示された通りに物を整理・配置する。
- 活動に参加し、終了時には自分の作業範囲を確認し、必要な場合は再整理する。
C(参加はしたが、指示に従うのに苦労した)
- 指示に従うために何度かリマインダーが必要。
- 活動には参加するものの、手順を踏み間違えることが多く、頻繁に修正が必要。
- 整理整頓の完了後、物の位置が不適切であることが多く、再度の指示が必要。
これらの評価基準は、観察可能な行動に基づいており、教師や評価者が一貫して評価できるように設計されています👍
生徒の具体的な行動と結果に焦点を当てることで、公平かつ透明な評価が可能となります💡
7.指導上の留意点
(1)個々のペースに合わせた支援を心がける。
(2)失敗を責めず、正しい片づけ方を励まし続ける。
(3)整理整頓の目的と利点を明確に伝える。
おわりに
自立活動を通して、ADHDがある生徒の困りが少なくなることを願っています💡
日々の小さな成功が、彼らの自信を育て、より良い未来への一歩につながります✨