今回の記事では、ADHDの児童・生徒が学校生活で困っていることについて紹介します。
簡潔な説明をした後に、学校生活でどのような様子であるかを紹介します。
目次
ADHDの児童・生徒が学校生活で困っていること【10選】
- 集中力の欠如:長時間同じことに注意を向けるのが困難で、授業中に気が散りやすい。
- 多動性:座っていることが難しく、授業中にじっとしていられないことが多い。
- 衝動性:考える前に行動してしまうため、クラスのルールを守るのが困難な場合がある。
- 課題の完了が困難:始めた課題を最後まで持続するのが難しく、しばしば未完了に終わる。
- 組織力の欠如:宿題や教材を整理するのが苦手で、何をどこに置いたか忘れがち。
- 指示の理解と実行の困難:複数の指示を一度に理解し、それに従うのが難しい。
- 社会的スキルの課題:他の生徒との交流や友人関係の維持が困難なことがある。
- 感情の調整が難しい:怒りや失望をコントロールするのが難しく、感情の起伏が激しいことがある。
- 学習障害の共存:読字障害や計算障害など、他の学習障害があることも多く、学業成績に影響する。
- 自己評価の低さ:学校や社会生活での困難に直面することで、自己効力感が低くなりがち。
①ADHDの診断的特徴に関連する項目
②環境との相互作用の中で障害状態を経験し続けることで生じる項目
とあります。
【エピソード形式で紹介】学校生活で困っている様子
「難しい言葉での短い説明ではわかりにくい」という方へ
学校生活の中でどのような様子があるか、エピソードを紹介する形で具体的に紹介します💡
集中力の欠如
「Aくんは授業中、窓の外や教室の様子に気を取られがちで、先生の説明を聞き逃してしまうことが多いです」
多動性
「Bくんは授業中に座っているのが苦手で、しばしば席を立って教室を歩き回ります。これが他の生徒の集中を妨げることもあります」
衝動性
「Cくんは授業で発言する際、手を挙げるのを待たずに答えを大声で言ってしまうことがあり、クラスの秩序が乱れることがあります」
課題の完了が困難
「Dさんは国語の長い読解課題を途中で中断し、結局最後まで読み終えることができないため、理解が浅くなってしまいます」
組織力の欠如
「Eくんは、学校のロッカーが散らかっており、必要な教科書やノートを探すのに時間がかかります。これが授業の遅れにつながることもあります」
指示の理解と実行の困難
「Fさんは、授業での複数ステップの作業指示を忘れがちで、途中で何をすべきかわからず混乱し、作業が中断してしまうことがあります」
社会的スキルの課題
「Gさんはグループ活動中、他の生徒と意見が合わず、感情的になってしまいがちです。これがたびたび対人関係のトラブルにつながっています」
感情の調整が難しい
「Hさんはクラスでの小さな失敗を大きく捉えがちで、すぐに悲観的になり、時には涙を流すこともあります」
学習障害の共存
「Iさんは読字障害もあり、読書が非常にゆっくりで、授業のペースについていくのが難しい状況があります」
自己評価の低さ
「Jさんは自分が問題を解決できないと感じると、すぐに「できない」と言って諦めてしまい、自信の欠如を感じられることがあります」
おわりに
これらに該当するエピソードがあるからといって、必ずしもADHDの診断が出て治療につながるわけではありません。
教育としては、教育機会・教育効果の最大化を目指しています💡
ADHDの子どもが困っていることを理解し、学びやすい環境づくりをするとともに、子ども自身が自分の特徴と付き合っていけるように、一緒に状況を受けとめて考えていきましょう。